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2017年10月

2017年10月26日 (木)

エンケンさんのこと

昨日10月25日、エンケンこと遠藤賢司さんの訃報が飛び込んできました。

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私がエンケンさんを知ったのは、2008年、沖縄で開催された「うたの日コンサート」でした。東京から高校の同級生たちがこのコンサート目当てにやってくる。でも私は、この年の出演者のみなさんのことはさだまさしさん以外はよく知らず、失礼ながらあまり乗り気ではなかったのです。でも、エンケンさんや琉球ちむどん楽団、かりゆし58など、この年の出演者の皆さんは後に大好きな存在になったのです。このとき演奏されたのは「カレーライス」「夜汽車のブルース」「不滅の男」「夢よ叫べ」などエンケンさんの代表曲ばかりだったのですが、この系統に弱い私にはこの時点ではピンと来なかったのが正直なところでした。確か、このときは演奏終了後にステージを飛び降り、客席付近を走ったような記憶があります。

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この模様は後にWOWOWで放送されましたが、足を大きく開いて歌う後ろ姿が逆光でシルエットのようになり、それがとても格好良く、惚れ惚れしました。

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そしてその後、エンケンさんが沖縄でライブを演るたび私は足を運び、出張などで空港へ向かう際のBGMには「不滅の男」で気合いを入れたものです。また、エンケンさんのライブのタイトルだった「年末ワッショイ!」にひっかけて、「週末ワッショイ」などと言ってビールを飲んだこともありました。

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ステージ上では、美しいピアノを聴かせ、つぶやくように歌ったかと思えば、何かに取り憑かれたように激しく叫びドラムを叩く。その激しさゆえシンバルが吹っ飛び、抱えたギターは振動とあちこちに弦がこすれることで、グワングワン音が鳴り、まだ余韻が残っているそのギターを倒れたアンプの上に置き去りにステージを下りる姿は、もうすごすぎて唖然呆然。「言葉を失う」以外に表現できませんでした。

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そしてアンコールの「夢よ叫べ」が終わると、ギターを担いで歌舞伎のような啖呵を切ってステージを去るエンケンさん。「かっこいい」の一言でした。

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↑ これは直筆サイン入りチラシです。

私はエンケンさんを見ると江頭2:50さんを思い出すのです。以前、エンケンさんのライブで興奮した江頭さんがエンケンさんの楽器を壊し始めたのだそうです。青ざめるスタッフをよそに、エンケンさんはその光景をニヤニヤしながら見ていたのだそうです。エンケンさんは江頭さんのことを「純芸人」と呼び、親交があったのだとか。

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でも、そんなエンケンさんも、ステージを下りると声が小さくて照れくさそうに話をされます。「本当は恥ずかしいから写真は嫌なんだけど・・・。じゃあ、1枚だけね」などと言いつつ、ポーズをとってくれました。このときだったか、サイン会で顔を合わせると「久しぶり」と言っていただきました。お会いするのは約2年ぶり、しかもサイン会という場所なので会話をしたと言ってもせいぜい数十秒くらいのもの。それなのに、覚えていてくれた・・・。本当に感激でした。このライブの模様をブログに載せたところ、エンケンさんの招聘にかかわった方からメッセージをいただいたこともありました。

そのサイン会でエンケンさんに、「今度はバンドで来てください」と言うと、「来たいんだけど・・・」と言っていました。結局、バンドで歌う姿は一度も拝めなかったことがとても心残りです。

今月予定されていた大阪でのライブがキャンセルされました。癌告知後のことでしたから、もうかなり悪いのだろうと思ってはいました。また、古い音源の再発が続き、活動の総括をしようとしているのかな、というイヤな予感もありました。

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私がエンケンさんを知って10年弱。ライブに行ったのは08年、10年、12年、13年の4回。持っているCDは8枚、DVD1枚。昔からの熱烈なファンの方々から見れば私のような人物はひよっこであり、ファンと自称することは許してもらえないかも知れません。

享年70歳。ファンに断りもなく自分勝手に、こんなに早く逝きやがって。悔しいです。ご冥福をお祈りします。

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2017年10月22日 (日)

「執心鐘入」を観てきました

10月19日は、国立劇場おきなわに組踊「執心鐘入」を観に行きました。この日は、第五期組踊研修生の第一回発表会です。

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「執心鐘入」は先日の首里城中秋の宴でも演目になった玉城朝薫の人気の作品です。

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あらすじは、夜道に迷って宿を借りにきた若い男性に宿の女性が一方的に想いを寄せますが、男はこれを断り近くの寺に逃げ込みます。(写真はいずれも首里城中秋の宴より。)

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男を追ってきた女は、叶わぬ想いから鬼へと変身し、寺の僧侶たちとの息詰まる攻防が繰り広げられるのです。

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首里城中秋の宴では屋外であることもあって大がかりな仕掛けはありませんでしたが、国立劇場では鬼が入り込んだ鐘がつり上げられ、鐘の下から鬼が顔を出すという演出がありました。前列の席で小さな子どもが鑑賞していましたが、この子にとってはとても恐い光景だったと思います。しかし、大人になると鬼の形相よりも、女の執念の方が恐ろしいと思う今日この頃(笑)。

研修生の待遇はかなり厳しいようですが、伝統文化の継承・発展のため頑張っていただきたいと思います。(お前なんかに言われんでも頑張ってる!との声が聞こえてきそうですが・・・)



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2017年10月21日 (土)

スーパーキッズオーケストラコンサートを観てきました

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10月8日は、沖縄市民会館に「スーパーキッズオーケストラ」(SKO)を観に行ってきました。

SKOは、言わずと知れた世界的な指揮者、佐渡裕さんが深い愛情を注ぎ育てているオーケストラです。私は以前、日曜朝のテレビ番組で、佐渡裕さんが指揮をし、さだまさしさんが歌う「風に立つライオン」を演奏している姿を観て、その高い演奏技術とあまりの美しさに涙したものです。

この日のプログラムは、

第一部

1 ホルスト:セントポール組曲より第一楽章

2 バッハ:シャコンヌ

3 モリコーネ:ニューシネマパラダイス

4 指揮体験

5 レハール:メリーウィドウメドレー

アンコール

6 アンダーソン:フィドルファドル

7 ウィーラン:リバーダンス

第二部~ゲストとの共演~

8 サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン(solo 島田真千子)

9 クーセヴィッキー:コントラバス協奏曲(solo 幣隆太朗)

10 ボッテシーニ:ヴァイオリンとコントラバスのための協奏的大二重奏曲(solo 島田真千子、幣隆太朗)

沖縄特別プログラム

11 芭蕉布(共演:浦添市ジュニアストリングス、沖縄市ジュニアストリングス、名護ジュニアオーケストラ、那覇ジュニアオーケストラ)

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この日のプログラムで嬉しかったのは、3の「ニューシネマパラダイス」。クラシック曲ばかりが並ぶ中での映画音楽で、我が家には映画のサウンドトラックだけでなく、溝口肇さん、2cellos、Yo-Yo Maという3大チェリストのバージョンもあるほどこの曲が大好き。

4の指揮体験では、会場から希望者を募って指揮者の体験をしてもらうというもので、偶然、小学5年生の男女が選ばれて指揮体験を行いました。テーマとなった曲は、モーツァルトのアイネクライネナハトムジークでした。まず、「この曲は四拍子ですので、四拍子をやってみましょう」と練習をさせ、いざ本番へ。素人の指揮者が振るタクトにもテンポ、強弱をしっかりと表現する即応力の高さも見せてくれました。

アンコールの6「フィドルファドル」と7「リバーダンス」はどちらも軽快な曲で、メンバーの皆さんは、曲に合わせて立ち上がって身体を左右に揺すったり、ステップを踏んだり、コントラバスはくるくると回転させたり、と魅せる要素満載の曲です。第二部のゲストとの共演では彼らの表情から笑顔は消えていましたが、第一部の特にこの2曲の生き生きとした笑顔満点の表情は観ている私たちも楽しくなりました。この2曲はYou Tubeで観ることができますので、興味のある方はどうぞ。

メンバーの皆さんが小学生~高校生のいわゆる「子ども」であるなどと見くびってはいけません。演奏技術や経験などは一流のオーケストラの方々にはかなわないでしょうが、彼らにはそれらを補ってあまりある純粋さや情熱があるのです。演奏会が面白くないと言われる某一流オーケストラは、高いお金を出してまで観たいとは思いませんが、SKOは別です。大人になると、経験や知識、技術がかえって邪魔をし、打算的になってしまう部分があるのではないかと私は思うのです。映画・ドラマでも、大人の臭い芝居に対して、子役の純粋な演技には本当に感心させられることがあります。ストーリーに感情移入できないくらい大人のヘタな演技は勘弁してほしいものです(笑)。

話がそれましたが、SKOの皆さんには、これからも純粋な感性を失わずに情熱を持って音楽に励んでいただくことを願うのみです。今後の活躍を期待しています。

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2017年10月17日 (火)

昨日の朝日

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10月16日の日の出です。時間は、6:36です。

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9月7日は、6:17、

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8月12日は6:05の日の出です。

8月、9月に比べてだいぶ日の出が遅くなってきました。そして、日の入りもぐっと早くなってきたように思います。

先日は北海道で初雪が降りました。東京でも13度とかと言っています。

ここ沖縄は10月に入っても、最高気温は30度をずっと超えていて、数日後には台風も接近しそうな気配です。季節ももう何がなんだかわからない状況ですが、秋は近づいているようです。

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2017年10月 1日 (日)

首里城公園中秋の宴

9月30日は、首里城公園に「中秋の宴」なる催しを観に行きました。

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このイベントは、9月30日と10月1日の2日間開催されますが、30日は土曜日であることや、人間国宝のおふたりが共演されることからこの日を選びました。

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普段、なかなか訪れることのない首里城。様々なイベントが開催されていることも知ってはいましたが、足を運ぶのは今回が初めてです。

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夕暮れ時の18:30から、きれいに晴れた空の下、宴が始まります。月がきれいに見えています。舞台向かって左側の最前列の席をゲットしました。

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厳かな雰囲気の中開演、

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まずはめでたい宴の席で最初に披露されることの多い「かぎやで風」、

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続けて「女こてい節」

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「ぜい」の琉球舞踊が披露されます。

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その後、人間国宝の西江喜春さんの演奏が披露されますが、私の席からは伴奏の方の姿と重なってしまい、見えませんでした。

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19時も過ぎ、だいぶ暗くなってきました。月がきれいです。

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そしていよいよ、西江さんともう一人の人間国宝である宮城能鳳さんの共演。舞を披露するのが宮城さん、3人並んだその中央が地謡の西江さん。この日最大の見せ場です。

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演目は「天川(あまかー)」です。

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普段、演目中の写真など撮れないのですから、この日はまさしく絶好のチャンスです。すり足の音までもが聞こえる距離、その美しい舞を十分堪能することができました。

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そして宴はいよいよ佳境に入り、組踊「執心鐘入」へ。歌も語りもすべて沖縄の方言ですから、ステージ下に標準語と英語の字幕が出ます。これで、方言がわからない人もより深く理解ができます。

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「執心鐘入」は組踊の創始者、玉城朝薫五番の一つで人気の高い演目です。

あらすじは、「中城若松という美少年が、首里王府へ奉公に行く途中、ある一軒家に一夜の宿をお願いします。宿の女は、親が留守だからと断りますが、男が若松だと知ると、態度を一変させて宿を貸します。女は、若松に言い寄りますが、若松は断ります。若松はいたたまれなくなり、末吉の寺に駆け込み救いを求めます。女は、必死になって若松を追い、寺へとやって来ます。しかし若松が見つからないため、とうとう鬼女へと変身し…。」(国立劇場おきなわHPの解説から)

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これは、追ってきた女が鬼の形相へと変身する場面。花笠で顔を隠し、その裏でメイクをするのですね。大変な作業です。

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そしていよいよ本物の鬼へと変身、お寺の僧侶は必死に念仏を唱え、鬼を退散させます。一方的に想いを寄せて、その想いがかなわぬものと知ったとき、その相手と一緒に死のうだなんて、女の情念、恐いですね(笑)。←幸か不幸か私は未経験(笑)。

本当にあっという間の50分間、見応えのある舞台でした。

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この日のラストを飾るのは琉球舞踊「醜童」(しゅんどう)。序盤は二人組の美しい舞が披露されますが、後に面をつけた二人が加わり、そのコミカルな舞に会場から笑いがおきました。コミカルな舞いというと、素人目には簡単に見えるのですが、コミックバンドがまともな曲をやったら意外と上手なように、あるいは、いつも凶器ばかりを使うタイガージェットシンが普通にプロレスをやらせたら意外と強いように(例えとして適切でしょうか?)、基本というものがしっかり身に付いていないとできないことなのかも知れません。

こうして、2時間半にも及んだ宴は幕を閉じました。

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美しくライトアップされた首里城周辺を散策しながら帰路につきました。

2年ほど前までは、テレビで組踊の特別番組が始まるとチャンネルを変えていた私ですが、好き嫌いの好みの感情なんてわからないものですね。

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