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2016年11月11日 (金)

ダウンタウンパレード

 今日は、このところ私の心を鷲づかみにしているアルバムを紹介します。アルバ ムタイトルは「ダウンタウンパレード」。

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演奏は「マルチーズロック」です。このバンドの最大の売りは、もりとさんのしわがれただみ声。それは、たとえて言うならロッドスチュワートのハスキーボイスなどというレベルを超え、永遠の不良少年と言われたブライアンアダムスが、本当に極道の道に進んでしまったような(失礼!)野太い、地を這うような声です。音楽は、民族音楽のようでもあり、ありとあらゆるジャンルを超越した、たとえが非常に難しい、今まで経験したことのないようなものです。マイナー調のダークなメロディが多いのですが、うねるリズムと変幻自在のメロディが聞く者を飽きさせません。ダークなメロディにサックスが絡んでくるところなどはキングクリムゾンのようでもあり、変幻自在のメロディとリズムはジェネシスやイエスのようでもあり。こうしてみると、プログレとも共通するものがあるのかも知れません。今、彼らの音楽を例える言葉を思いつきました。「プログレ風ワールドミュージック」。どうでしょう。まあ、ジャンル分けなど彼らの音楽には全く意味のないことなのですが。
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1曲目の「ダイナマイトピース」は突然、「こんな展開あり?」という意外なメロ ディ展開を見せます。
2曲目の「維新伝心」(「以心伝心」ではない)は、かなり激しい言葉の並ぶ強烈な曲です。かなり政治的なニオイもしますが、私はこの曲が大好きです。「俺は右目でにらまない、俺は左目でにらまない」という歌詞は、思想的に右でも左でもない、という意味なのでしょうか。「ペテンの言葉」「定規ではかった言葉」というのは、ペタペタと、感情のこもらない平坦なしゃべり方をするAさんのことでしょうか。

3曲目の「ソノソーロ」は、哀愁漂う曲。「世界の真ん中で 声をまきちらしてた その声をみんなが聞いていると思ってた」という歌詞は、沖縄の思い・主張が他県の人々の心に響かないもどかしさを歌ったもののような気がします。
7曲目の「モンキーレストラン」はタイトルの意味がよくわからないのですが、「モンキー」とつくからにはいいことではなさそう。ミステリアスな出だしから徐々にヒートアップし、エンディング近くの馬頭琴、サックス、ギターが交代でソロパ ートを演奏し、後に合体する場面はめちゃくちゃかっこいいのです。

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 タイトル曲である「ダウンタウンパレード」は、ゆったりとした明るいメロディの大作。「悲しみの行進はここから始まったけれど」という歌詞は、彼らの活動の拠点である栄町市場には先の大戦で多くの命が失われた「ひめゆり学徒隊」の学校があったことから来ていると、「箆柄暦(ぴらつかこよみ)」に書かれていました。歌詞は少し重い部分もありますが、「前をふさぐ壁なんて乗りこえて行け 愛こそがすべてさと歩いて行こう」と歌う感動的な希望の歌です。「前をふさぐ壁」というのは、政治、世論、そういった沖縄の思いに寄り添えない主張のことでしょうか。先日私たちが観に行った「ロングトレイル」のような、自然と友情をテーマにした映画のエンドロールに流れたら、めちゃくちゃ格好よく感動的だと思います。
 アルバムの最後を飾るのは「あいのうた」。サックスのあかねさんがボーカルをとる曲です。後ろで控えめにコーラスをつけるもりとさんの歌声が、幼い子供を優しく見守るお父さんのようでとても好感が持てます。もりとさんの流れるようなギターも聴きどころ。愛らしいメロディが、ツボにはまると涙が出そうになります。

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 もりとさんの作る曲は、歌詞もメロディも決して脳天気に明るいものでもありません。でも、私が幼少の頃にときどき接することがあった「ちんどん屋」さんのような楽しさ、びっくり箱のようなわくわく感のあるエンターテインメント性に溢れたものです。
 また、もりとさんの詩は、深淵で平和への想いに溢れています。それは時にストレートに、時に比喩を用いながら表現されます。ボブディラン氏にノーベル文学賞が与えられるなら、私はもりとさんに文学賞と平和賞のW受賞を推薦します。

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