« 富士山の旅~湧水散策 | トップページ | 映画「ロングトレイル」を観てきました »

2016年9月26日 (月)

金澤翔子の世界展

 

Img453


先日、浦添市美術館に金澤翔子さんの個展を見に行きました。金澤翔子さんは言わずと知れた「ダウン症の女流書家」で、3日は、翔子さんの席上揮毫(きごう:毛筆で字や絵を書くこと)とお母さんである泰子さんの公演会、4日は翔子さんのサイン会が開かれました。

Sn3s1100

                  
席上揮毫の冒頭、拍手に迎えられて黒い衣装で登場した翔子さん。一礼し正座をすると静かに手を合わせ、筆を執ります。会場は静まりかえり、緊張感が漂います。

Sn3s1102

書き上げた書は「共に生きる」。力強い字です。翔子さんの展示会では感動のあまり涙を流す人もいるとか。でも、翔子さんの先生であり同じ書家でもある母の泰子さんの作品は褒めてくれる人はいても泣いてくれる人はいないのだとこぼしていらっしゃいました。
 その後泰子さんの講演会。40歳を過ぎて初めて子供を授かった喜び、出産を控えて「ダウン症で歩けないかも知れない」と医師から告げられたときの絶望感、子育ての葛藤などをときにユーモアを交えてお話しをされました。
泰子さんのそのときのお話しや、翔子さんの作品に添えられたコメントで特に心に残ったものをいくつか紹介します。
・野外での催しのとき、犬を連れた人がいて、翔子さんがその犬に名刺を差し出した。周囲は爆笑であったが、翔子さんにとっては犬も何も関係なく皆平等なのだと。自分も「人間は平等」などと言ってきたが、翔子さんの姿を見ると、自分の発言が軽く感じられてしまうのだとか。

・ある朝、雨が降っているので「今日は天気が悪いね」と言うと、「どうして天気が悪いの?」と聞く。「雨が降っているから、そういう日は天気が悪いって言うのよ」「雨が悪いことしたの? 雨が降ったらお庭のお花たちもよろこんでいるよ」。

確かに、雨降りが続くのは憂鬱で嫌かも知れないし、時に大きな災害ももたらしますが、逆に雨が降らなければ「干ばつ」と言って大きな被害をもたらす。雨で運動会が中止にならないかな~と思っている子供達にとってはたまらない恵みの雨に違いないのです。

また、翔子さんはある人を好きになって結婚したいと思えば、相手もそう思っているに違いないと考えているようです。なので、小池徹平さんやマイケルジャクソンとも彼女は結婚したのです。翔子さんの恋はいつもハッピーエンドなのだそうです。思い通りにいかない恋に嘆き悲しむ人が多いなか、このちょっと強引とも思える前向きな考えはどうでしょう。
 

 泰子さんの講演が終わったとたん、舞台袖から翔子さんがマイケルジャクソンばりのムーンウォークで登場。そして会場に流れるBeat itに合わせてダンスを披露してくれました。予想もしなかった出来事に会場は騒然となりました。
講演会が終わって、明日のサイン会の予定を聞くために会場へ行ってみると人だかりが。見ると、翔子さんがサイン会をやっているではないですか。明日ではないのですか?と係の人に尋ねると、今日はご本人の好意でやっています、とのこと。こんなところにも、「人が喜んでくれることが自分の喜び」という翔子さんの優しい気持ちが表れています。

Img_9849

前日とこの日の午前のサイン会では、サインをした後に記念撮影に応じていたのですが、それでは時間がかかりすぎるので、サイン中に私たちが後ろへ行って記念撮影する方式に変わりました。午前中までは元気はつらつな様子でしたが、午後は笑顔も少なくさすがにお疲れの様子。でも、カメラマンさん、翔子さんがちょっと前を向いた瞬間を逃さずに撮ってくださいました。
Img454_2

 ↑ 

これが、翔子さんのサインです。

これほどの実力と知名度を持ち合わせていながら今も「ダウン症の~」という言葉がつきます。そんなこと言わなくたってわかるよ、もうそんな言い方しなくてもいいんじゃないの?と思うこともありますが、これは、ダウン症への理解を深め、差別をなくしてほしいという泰子さんの思いがあるのかな、と思いました。書や様々なコメントにも触れ、名言を集めた本を読んでいるような、前向きな気持ちになれました。自分の身の回のいくつもの難儀な出来事、そんなものはどうでもいいことでしょ、と思います。

|

« 富士山の旅~湧水散策 | トップページ | 映画「ロングトレイル」を観てきました »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 富士山の旅~湧水散策 | トップページ | 映画「ロングトレイル」を観てきました »