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2016年5月22日 (日)

映画レビュー~偉大なるマルグリット&ロイヤルコンセルトヘボウ オーケストラがやって来る

先月から昨日にかけて2本の映画を観てきました。

1本は「偉大なるマルグリット(原題:Marguerite)」、もう1本は「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る(英題:Around the world in 50 concerts オランダ語題:Om de wereld in 50 concerten)」です。

「偉大なるマルグリット」は、実在した“音痴の歌姫”に発想を得た感動の人生賛歌。

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男爵婦人のマルグリットは、邸宅で開かれるサロンで歌声を披露することが大好き。しかし、彼女はとんでもない音痴だったのだ。しかし、そこに集まる人々の様々な思惑などもあり、誰一人としてそのことに触れることはない。

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やがて、周囲の反応に気を良くした彼女はリサイタルを開く決意をし、夫の制止も聞かずに専属の教師から指導を受けることに。

モーツァルトのオペラ「魔笛」に出てくる夜の女王のアリアを調子はずれで歌うシーンが予告編の中に出てくるので、てっきりお笑い系のコメディ映画かと思っていましたが、そんなことはありませんでした。男爵の周辺に群がる人々の様々な思惑。そして、マルグリットの歌への情熱、そして男爵への愛。劇場内から笑い声が起きるようなそんなシーンもありますが、実はとても切ない愛の物語でした。

「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る」は、ウィーンフィル、ベルリンフィルと並ぶ世界三大オーケストラといわれるオランダのロイヤル・コンセルトヘボウのワールドツアーに密着した映画です。

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この映画は、リハーサル中や上演中の映像も確かにありますが、単なるドキュメンタリー映画ではありません。

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映画の冒頭、打楽器担当のリーケンさんが登場。長い交響曲でシンバルをたたくのはたった一度だけ。その一瞬のために1時間以上舞台に張り付いていなければならない。「打楽器奏者は待つことが仕事」と語るリーケンさんと、勤務時間の大半を孤独で過ごすタクシー運転手の姿を重ね合わせます。

そして、コントラバスのセルディスさんは、ショスタコーヴィチの交響曲10番は、スターリンの恐怖政治を表現したものではないかと、そう思える部分を演奏します。作曲された時代とその時代背景を重ね合わせるとものすごく説得力があるのです。

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映画の終盤、ロシアのサンクトペテルブルクでは、父親を大粛清で失い、自らも収容所生活を経験した老人が音楽への思いを語り、その後にマーラーの交響曲第2番「復活」の演奏シーンになります。圧倒的で感動的な曲と、大写しになる老人の目に光る涙。この映画一番の感動シーンです。

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最初の目的が「ウィーンフィルのニューイヤーコンサートで指揮を勤めているマリスヤンソンス(Mariss Jansons)さんが出ているから」というしょうもない理由だったのですが、感動的な映画でした。

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