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2008年1月26日 (土)

イタリア危険地帯・返り討ち

96年、高校の同級生S君とイタリアを訪れ、ひどい目に遭った2人。このときの借りを返すべく再度イタリアを訪れた99年、悲劇はまた2人を襲う・・・。

NG9214便はほぼ定刻の夜22時にRoma Fiumicino空港に到着。Roma Termini行きの電車が終わってしまっているために、タクシー乗り場へと向かう2人。めずらしくDONの前を歩くS君。と、そのS君の前に、1人の細身の男が立ちはだかる。タクシーなんとかというカードのようなものをS君に見せ、そのままS君の荷物に手をかけてタクシー乗り場とは逆の方向へ歩いて行く。

「ホテルはどこだ?」。男が尋ねる。

“Castellino Palio.”DONが答える。

“Castellini? Castellino Palio! Piazza  Venezia!”

詳しい場所を知っていてくれたのはよかったが、この男は一体何者なのか? 不安が募るが、どんどん男のペースにはまっていく。

駐車場へ入ると、まわりは暗く、人影もほとんどない。DONが口を開く。

“Scusi,quanto costa?”(すみません、いくらですか?)

「タリフがある」。そう答える男。タリフとは辞書によれば関税表となっているが、ここでは料金表の意味であろうか。しかしDON、わざわざ聞いたのに、なぜそのタリフとやらを確認しなかったのか。あぁ・・・。

「なんだ、タクシーじゃないじゃないか!」。S君、男の車を見て愕然とする。ただのオンボロ車だ。2人ともおかしいと思っているものの、まったく逆らえない。このときの精神状態といったら・・・。男、DONの荷物を後部座席に、S君の荷物をトランクに入れる。そして、DONが助手席に、S君が後部座席に乗り込む。

Epsn0044 車を走らせる男。「Piacere(はじめまして).私はGiancarloと言います」「Romaはいいところだと思うか?」「FlorenceとかMilanoにも行くのか?」矢継ぎ早に話し掛ける男、Giancarlo(芸名?)。

DON、チラリとS君の方を振り返る。移動のときはほとんど寝ていたS君だが起きている。

「S、どう思う?」

「絶対ヤバイと思う」。S君も危機感を持っている。そんな2人の気持ちを知ってか知らずか、「彼は友達か?」などとDONに話しかけるGiancarlo(芸名?)。友達じゃなかったらなんなんだよっ!

「あの教会は○○教会と言って、とても古くて貴重な教会です」。ときどき、車窓に現れる建物の解説をするGiancarlo(芸名?)、「このアウトバーンは○○へ行く」そんなことを言っていると、他の車と危うく接触しそうになり急ハンドルを切る。

Epsn0045 市街地に入ってからも猛スピードで車を走らせるGiancarlo(芸名?)、信号無視を繰り返す。

「ああ、神様」。えせクリスチャンのDON、胸のロザリオに手を当てて祈る。そして、タクシー(?)はとうとうホテルの前に到着。

「車の中で金を払え」。Giancarlo(芸名?)、それまでのフレンドリーな雰囲気から態度を一変させる。そして、DONにタリフを見せる。

「なぁんだ、45,000LIREか。普通のタクシーより安いじゃないか」。そう思って45,000LIREを渡すDON。

「これは45,000じゃないか! 450,000だ!!」。Giancarlo(芸名?)、声を荒げる。450,000LIRE! 当時のレートでだいたい25,000円くらいだ。慌てて財布の中を見るDON。しかしイタリアリラは成田で両替した10,000円分の160,000LIREちょいしかない。S君も同じ額しか持っておらず、2人合わせても450,000には到底足りない。凍りつくような緊張感が走る。

Epsn0046 “BIG MONEY! BIG MONEY!”

まるで何かにとりつかれたようにGiancarlo(芸名?)、2人の財布に手を突っ込み、札を抜き取る。イタリアリラだけでは足りないのでDONが言う。

“Scusi,un po’ dis conto,per favore.”(すみません、おまけしてもらえませんか?)

「あと200,000でfinitoだ。問題ない」。答えるGiancarlo(芸名?)。でももうリラはない。結局、10,000Japanese yenで決着をみる。

車を降りる。トランクに積んであるS君の荷物を降ろし、さっさと走り去るGian-carlo(芸名?)。この世には神も仏もないのか・・・って、いくら神様でも飛んで火にいる夏の虫は助けちゃくれないってことか。

ホテルの前で呆然と立ち尽くす2人。成田で両替した20,000円分のリラすべてと、10,000円をとられた。通常料金の6倍くらいだろうか? それに、450,000LIREと言ったのに、320,000LIREと10,000YENじゃ取り過ぎじゃないか! 前回の借りを返すべくRomaにやってきたのに、返り討ちにあってまたぼられた。♪ボラレ、オーオ♪って、歌ってる場合か!  

ホテルから3件くらい離れたところがCarabinieri(カラビニエーリ。イタリア憲兵隊。S君、未だに発音できない。)だったから、車の中で2人がかりで襲ったり、降りたときに騒いだりすればどうにかなったかも、と思うが、Giancarlo(芸名?)もヤバイもん持ってなかったとも限らんし、あそこは命最優先で仕方なかったのか。そもそも、見知らぬ人間にS君の荷物を触れさせたこと自体が間違いの始まりだ。S君はもちろん、DONも「さわるな」くらい言うべきだったのだ。

しかも、値段の確認は周りにまだ人がたくさんいる場所で最初にやるべきだった。あの空港のあんな暗い駐車場では心理的に追い込まれるし、そこで値段を聞いて断れば向うにしても「ここまで来てから何言ってんだ!」ってことにもなるから。まあ、あとで悔やんでも仕方のないことだけど。

いつの場合も値段を確認してから行動、特にイタリアでは。これを今後の(今後があれば話しだけど)教訓としましょう。いろいろ勉強させてくれるね、イタリアってとこは。

イタリアの詐欺や泥棒は芸術的であるとさえ言われる。バッジを作るなど、芸が細かい。イタリアを訪れる際には要注意でお願いします。

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